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宿へ戻りチェックアウトの準備をします。が、土産物で荷物が増えた為、リュック詰めに難渋します。ぼこぼこに膨れあったリュックはまるで登山隊の物のようです。何度も出しては入れ直し、旅装を整えながら、昨晩(早々と就寝した為)ろくに話も出来なかった相部屋の宿泊客と会話を楽しみました(皆さん東京から来た人たちでした)。
潮音山大江寺 |
後ろ髪引かれる思いで引戸を閉め、大江寺本堂の方に御参りを済ませたらべスパに跨り江の町を後にします。どこに行こうか白紙状態のまま一路、42号線を南に走り、鳥羽方面へと向かいます。池の浦や蘇民の森を通り過ぎ、海を横目に朝のドライブです。気持ちいい事この上ないのですが、このルートに少々飽きを感じていた為、鳥羽駅手前で方向転換、再度神宮参拝をすることにしました。数年前、地元警察の方から教えて頂いた裏道を使い鳥羽から一気に伊勢神宮内宮まで行きます。途中、別宮である月讀宮に出くわした為、ここも参拝いたしました。内宮参拝の際いつかお参りしようと思いながらもついつい遷延を繰り返してきたのでこの機会を逃すまいとべスパを停めます。月讀宮は宮域内に別に三社を祀っており、月讀尊(つくよみのみこと)の魂を祀る月讀荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや)とイザナギノミコトを祀った伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)とイザナミノミコトを祀った伊佐奈弥宮(いざなみのみや)を合祀しております。イザナギとイザナミといえば“国生み”の神話が有名な夫婦神で国土を生み、沢山の神々を生んだ創造神です。国土をべスパにて走り回り、創造(想像)を楽しむ者のはしくれとしては畏敬の念が沸き起こらずには居られません。三社とも丁寧に二礼二拍手一礼の拝礼を致します。
参道歩かば… |
しばし清新な心持で宮域を逍遥します。荒祭宮、風日祈宮と別宮二社を参拝してから伊勢神宮内宮に別れを告げます。ザクザクと参道に響く玉砂利の音がいつまでも余韻となって心に響きます。
荒祭宮 |
さて赤福本店を後にして、やはり気になっていた神宮御料酒〈白鷹〉を買う事にしました。〈白鷹〉の酒造は兵庫県西宮市にあり三重(伊勢)の地酒ではないのですが内宮にて供奉されてある樽の白鷹を見るにつけ、一度飲んでみたいという思いに駆られていたのです。直売所白鷹商店へ行き、一合を直呑みしている客をうらやましく思いながら一本買いました。べスパ後部シートに括り付けていたリュックに壜を無理矢理つっこみましたがもはやぱんぱんに膨れ上がってウミガメみたいになっています。
戦利品 |
パンパンになって悲鳴を上げているリュックにもう少し頑張ってもらい酒器を詰込みます。さあ今回も伊勢志摩を存分に楽しませてもらいました。いざ帰ろうぞ!ってな事で大阪へ向けべスパを飛ばします。アクセル全開。天気も晴れてきた。度会橋を越え、宮川沿いに輝く春の景色を横目に伊勢を後にします。風にたなびく緑の世界。草木の匂いがまるで私を帰さなくするように優しく包み込んで来ますが、それらを容赦なく突き破り街道を進みます。心には溢れんばかりの名残惜しさで一杯でした。また絶対来るよ!私はべスパが進むたびに後方へと流れていく伊勢志摩の景色と思い出に一人ごちました。
おしまい