大阪は千日前にある『信濃そば』に行って来た。寒い夜はうどんに限る。近くの赤垣屋で淡麗を軽くやり、最後に温い麺でシメたくなったのだ。木枯らし吹く中、宵戎とアジア・カップ観戦の酔客に揉まれながら歩く事数分。千日前のアーケードが途切れた辺りに店はあった。ガムテ―プで補修した袖看板や手製のお品書を貼りまくったDIY極まりない外観。店に入るや、袢纏をまとった後期高齢者夫婦が出迎えてくれた。大将と大将婦人である。私の註文に大将はいそいそ曲がった腰でとりかかってくれた。
厨房とフロアの境界がなかなか曖昧な内装…。風が戸の隙間からぴゅーぴゅー言うが男なら気にするな。 |
もちろん、ここでも肉うどんを注文。
尻に火がつく程、七味を振る。葱の切り具合が絶妙。 |
出て来た時点で唾液腺が唸りまくる。香りが半端ではない。だが、はやる気持ちを抑え、まずは御ダシをひとすくい…
馥郁とした昆布の香り! |
湯気の中、至福の北前船が出航する!(?) |
ダシをすすってすぐ、ご飯を註文しなかった事を後悔した。ご飯と玉子を放りこんで雑炊にしたくなる程いいダシなのだ。もう我慢は御免だ。あとは一気呵成に啜る!咀嚼!嚥下!噎せる!くしゃみ!…啜る!咀嚼!嚥下!…
うどんは典型的な“大阪うどん”つるつるとした食感。喉越しが最高。 |
ごちそうさま。やはり残りダシで雑炊にしたかった… |
決して今どきの“うどん”ではないが、流行り廃りには無縁の普遍的味わいにノックアウトされました。まるでザ・バンドかCCRのようなうどんである。巷にあふれる讃岐風の強コシに飽きた方はバック・トゥ・ルーツで一度お試しあれ。
信濃そば
〒542-0074
大阪府大阪市中央区千日前2丁目8−10
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