オリジナルはロジャー・ニコルス&スモール・サークル・オブ・フレンズ。本家のスピーディーさとはうって変ってミドル・テンポ。コーラス・アレンジも大胆に施されている。それ故、最初耳にした時、オリジナルが持つイメージとのあまりのギャップに嫌悪感すら沸き起こりました。洗練された感覚が削ぎ落されて、替わりにどこか野暮ったい、カレッジのグリー・クラブ的匂いが芬々としたのです。聴いてはいけないものを聴いてしまったような悪寒を感じたのです。
ところが好きと嫌いは表裏一体である。余程印象が強かったのか、この“キモ優等生”的な"Can I Go" はしばらく頭から離れませんでした。YouTubeでのシャッフル機能を使いBGMとして流し聴きするうち、こちらのヴァージョンの方がより男女のハーモニー・アレンジに力点を置いている事に気づくようになって行きました。そしてそれにより本家とは違うイメージを誘発するのに成功している事も思い知ります。個人的印象を語ると、若い男女が夏の日差し輝く荒野を地平線に向かって歩いているイメージが想起されるのです(この辺は妄想入ってますがお許しくださいw)幾重にも折り重なるハーモニーがミルフィーユのように甘く、上質なメロデイが心の地平に太陽を呼ぶ。おかげで今や本家よりも愛聴するようになってしまいました。
やはりみんなで歌っているグループが好きだ。ラウドだろうがポップだろうが、勇ましかろうがめそめそしていようが、ハーモニーは耳にとってごちそうなのだ。低音と高音が共鳴する瞬間や、別々のメロディが同じコード上で並び交錯し一組の旋律を作り上げる瞬間、心は高揚しイメージの彼方に飛翔していくのだ。
そして音楽こそが、イメージというどこか遼遠な世界へ誘ってくれる装置であり、その事を再認識させてくれるのがこのThe Collage版 "Can I Go"なのである。
…とかなんとか言ってたらThe Collage、CD出ますね。アマゾンで早速カートに入れました。2011.3.11発売です(輸入盤ですが)
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