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イラストレーター、DJ ヨシダキョウベイ[Kyobei]/大阪芸術大学美術学科中退/伊勢志摩マニア お仕事のご依頼は kyobeya@gmail.com まで。

2011年1月10日月曜日

うどん・フロム・ビッグ・ピンク

  大阪は千日前にある『信濃そば』に行って来た。寒い夜はうどんに限る。近くの赤垣屋で淡麗を軽くやり、最後に温い麺でシメたくなったのだ。木枯らし吹く中、宵戎とアジア・カップ観戦の酔客に揉まれながら歩く事数分。千日前のアーケードが途切れた辺りに店はあった。ガムテ―プで補修した袖看板や手製のお品書を貼りまくったDIY極まりない外観。店に入るや、袢纏をまとった後期高齢者夫婦が出迎えてくれた。大将と大将婦人である。私の註文に大将はいそいそ曲がった腰でとりかかってくれた。
厨房とフロアの境界がなかなか曖昧な内装…。風が戸の隙間からぴゅーぴゅー言うが男なら気にするな。
もちろん、ここでも肉うどんを注文。
尻に火がつく程、七味を振る。葱の切り具合が絶妙。

出て来た時点で唾液腺が唸りまくる。香りが半端ではない。だが、はやる気持ちを抑え、まずは御ダシをひとすくい…
馥郁とした昆布の香り!
湯気の中、至福の北前船が出航する!(?)


ダシをすすってすぐ、ご飯を註文しなかった事を後悔した。ご飯と玉子を放りこんで雑炊にしたくなる程いいダシなのだ。もう我慢は御免だ。あとは一気呵成に啜る!咀嚼!嚥下!噎せる!くしゃみ!…啜る!咀嚼!嚥下!…

うどんは典型的な“大阪うどん”つるつるとした食感。喉越しが最高。
ごちそうさま。やはり残りダシで雑炊にしたかった…
完食である。『嗚呼、うめ~』等とつい白々しくも声に出してしまったが、店主は私の感動などどこ吹く風、カレーうどん用のカレー粉を缶に詰める作業に勤しんでいた。御会計をお願いしてもカンカンカン…と粉を底に落とすべくスプーンで缶を叩き続けている。カンカンカンカン…。もはや無我の境地だ。ならばと先程までいた大将婦人を探したが婦人はどこかに消えていた。自由過ぎる…。

決して今どきの“うどん”ではないが、流行り廃りには無縁の普遍的味わいにノックアウトされました。まるでザ・バンドかCCRのようなうどんである。巷にあふれる讃岐風の強コシに飽きた方はバック・トゥ・ルーツで一度お試しあれ。


信濃そば
〒542-0074
大阪府大阪市中央区千日前2丁目8−10

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