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イラストレーター、DJ ヨシダキョウベイ[Kyobei]/大阪芸術大学美術学科中退/伊勢志摩マニア お仕事のご依頼は kyobeya@gmail.com まで。

2011年8月24日水曜日

キョべちゃん離島を行く 真夏の伊勢志摩旅行part2

  
 2011年夏。残暑も厳しい中、いかがお過ごしでしょうか?私はこのお盆も伊勢志摩へと行ってまいりました。『そろそろネタ切れなのでは?』『馬鹿の一つ覚えみたいによく行くね~』『ほんとに馬鹿なのでは?』と心配の声もよそに、なんのなんの未踏の地はまだありますよ、とばかりに性懲りもなく行ってまいりました。 
 というわけで、この夏ラストの伊勢志摩旅行記であります。
 
 まずは、近鉄宇治山田駅から徒歩で数分の倭姫宮(やまとひめのみや)を初参拝致しました。第十一代垂仁天皇の皇女倭姫命(やまとひめのみこと)を祀った社であります。倭姫命は元々皇室にて祀られていた天照大御神を伊賀・美濃・近江を経て最終的にここ伊勢の地に鎮座させました。いわば神宮がこの地にあるのも倭姫命のおかげなのであります(社殿の撮影をしたはずなのですが、うっかりデータを失くしてしまいました。なので唯一残っていた石段の写真でイマジネーションを働かせてください。いきなりすいません…)
 
 その後、隣接する神宮徴古館、神宮美術館、農業館にて収蔵物を観覧し、てくてく歩いて猿田彦神社、伊勢神宮内宮を参拝した後、おはらい町~おかげ横丁で食事をしました。

 おはらい町~おかげ横丁で食欲にエンジンがかかってしまった私は、そのまま伊勢市駅方面へとてくてく歩き、「向井酒の店」にて一杯ひっかける事に致しました。てくてく。
暖簾をくぐれば…


うまし酒!
 いや~てくてくし過ぎて疲れた体に酒がしみるしみる(写真はいわしの酢漬けと蛸の煮物。純米吟醸「酒屋 八兵衛」の冷酒)。
 
  というわけで、この日は宿にほろ酔い加減でチェックインし就寝致しました。いやーこの日はほんとてくてく歩いた。足の裏にまめが出来てましたもん。 

 翌早朝、旅の恒例となった二見興玉神社の夫婦岩の朝日遥拝を済ませ、いざ今回の旅のメインとなる離島探検へと向かいます。
鳥羽は佐田浜港に出来た新しいターミナルよりフェリーに乗りまして…
いざ、出航!伊良湖水道を東へ!
波に揺られる事小一時間。あれに見ゆるは…
目的地の「神島」であります!
港からすぐ、坂だらけの神島の町を歩き、
八代神社へと通じる214段の階段を上ります。
 八代神社のご祭神で
海の神様「綿津見命」(わだつみのみこと)を御参りした後、神社脇にある道をぐんぐん歩きます。
ぐんぐん、ぐんぐん
あ、ぐんぐん、ぐんぐん(愛知県がすぐそこに見えます)…
あ、ぐんぐん、ぐんぐん…神島周遊の旅!天気に恵まれ、景色も最高!
…と言ってる間に神島灯台に到着。
神島灯台
伊良湖水道を一望出来るとの事ですが残念ながら灯台の中には入れないようです。
灯台脇から伸びる細い道を上がり、ジャングルの中を進みます。蝉の鳴き声が轟く中、頭上にはアサギマダラ(蝶)が優雅に飛びまわって花の蜜を吸い、足元にはメタリックなチビトカゲが突然の来訪者に驚いて逃げまわっておりました。まるで熱帯。多々良島。レッドキングが現れなきゃいいが…と、フザケた男が密林を汗だくになりながら進む事数分…

「監的哨跡」(かんてきしょうあと)に到着致しました!三島由紀夫氏の小説「潮騒」にてクライマックスに登場する場所であり、第二次大戦時、試射弾を監察した場所であります。ただしここも残念ながら八月から工事が始まっており中に入る事が叶いませんでした。

 「監的哨跡」前に設えられたベンチに腰掛けしばし休憩。パンをもぐもぐ茶をずずずと啜っていると伊勢神宮外宮にいる友人から「豪雨が来た」との情報が入りました。外宮さんのある伊勢市までは距離があるから大丈夫だろう、と高を括り、茶啜りを続けていましたが、しばらくすると、こちらも俄に空がかき曇ってまいりました。雨粒もぽたぽたと落ちて来ます。どうやら本格的に雨雲がこちらまで近づいて来ているようなので、ゴロっと来る前に早歩きで港への道を進みます。もはや景色を楽しむ事もなく突き進みます。
 おかげでなんとか雨が本降りになる直前に無事港に到着する事が出来ました。しかし、戻ったはいいものの出航まで一時間以上も時間が余っております。そこで、島唯一の呑み処、食堂「さざ波」の暖簾をくぐる事に致しました。

まずは麒麟クラシック・ラガーの大ビンを手酌でいただき、次いで「黒龍」の常温と地元でとれたアジの塩焼きをいただきました!塩が効いててその上プリっとした食感。さすが伊良湖水道の海流に揉まれただけあります。干物だというのに弾力があり身がひきしまっておりました。
 満席の為、相席させていただいた地元漁師の方と呑みながら島の魅力についてのお話を聞くうち、サザエや蟹を豪儀にも振舞って戴きました。ありがとうございます。お腹も心も満たされたところで船の最終便の時間となり、泣く泣く神島を後にしました。また必ず再訪することを心に誓いながら。
船で鳥羽に戻った後は、しばし街を散策した後、JR参宮線にて宿のある二見浦駅に戻ります。
 宿のある町に着くと、お盆の施餓鬼会(せがきえ)法要が執り行われておりました。風呂に入って一日の汗を流したい所でしたが、この機会を逃してなるまいとカメラを抱え見学します。すると、法要に参加されていたおばあさんからどうぞ列に加わるようにと促されました。ここの土地の者ではない事を伝え遠慮致しましたが、どうぞ気になさらずに、と仰って頂いたので私も参加させて頂く事にしました。思えば今年は友人や尊敬する方、大震災で亡くなられた方、多くの方々が惜しくも鬼籍に入られました。それらの方々に思いを馳せ、今一度哀悼の意を表すべく僭越ながらも祭壇に手を合わせ、ご焼香を上げさせて頂きました。

 法要終盤に和尚さんのありがたい説話を聞いた後、宿に戻り、ようやくひとっ風呂浴び一日の汗を流しました。そして床に就き、窓の外、山中からこだまする虫の音を耳に仰臥するうち、夢の中へと簡単におちて行きました。
 さて旅も最終日の朝となりました。お世話になったこの部屋に別れを告げ、チェックアウトを致します。朝日がまぶしい。

 宿がある大江寺の境内にはお地蔵様もいっぱい佇立しております。蝉もいいところを選びましたね。

石段沿いに吊られた風鈴がすずしい音色を運んでいます。さようなら大江寺。また来る日まで~。

…さて、最後に大好きな志摩地方の海を堪能しないとやはり夏を味わった気がしません。後悔のないよう、足を志摩市まで伸ばします。
志摩市阿児町は国府(こう)の街並み
特徴的な生垣(防風林)の小路を抜けると…
遠浅の海がどこまでも広がっています。

 クロマニヨンズの歌に「海はいい」という歌があります。ここ国府(こう)の浜辺に訪れる度その歌の一節「 …海はさよならホームラン…」という歌詞が胸に去来致します。日常の何もかも海の前では全てゲームセットになってしまう。それを実感させてくれる程、広大な海が眼の前に開けているのです。
 小一時間程、潮の香りや波のざわめき、海水の肌触りを堪能した後、タイムリミットとなりました。名残惜しさに後ろ髪ひかれながらも帰りのバスに乗り駅へと向かいます。駅に着くと同時に雨が降り始め、街中を濡らし始めました。余計寂しさが募ってまいります。帰りたくない気持ちに襲われますが時刻通り、電車はやって来ます。自分を押し殺して近鉄電車に乗り込み、窓の外を眺めながら今回もまた伊勢志摩旅行に幕を下ろしました。
車窓からの眺め。雨上がりの濡れた道。空気がとても澄んでいました。



 さて2011年、夏。7月と8月、二回に分けて、伊勢志摩の自然を存分に楽しませていただきました。目に楽しく、耳に心地よく、舌も鼓を打つ二泊三日の旅。お世話になった方々ほんとにありがとうございました。また近いうちに遊びに行きます。友達を連れて、山海の珍味を味わい、潮騒に耳を澄ましに訪れようかと思います。またその日まで。


ありがとうございました。