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イラストレーター、DJ ヨシダキョウベイ[Kyobei]/大阪芸術大学美術学科中退/伊勢志摩マニア お仕事のご依頼は kyobeya@gmail.com まで。

2011年2月4日金曜日

サブスティチュート旧正月 ― 南京町で春節を祝おう

 元旦からしばらくの間、初詣に伊勢神宮に行ったきり、住吉っさんもとんど祭りもえべっさんも行けなかった。なので旧正月くらいは神戸は元町界隈(南京町)に行こうかなんて考えている。久し振りに老祥記の豚饅を買いに並んだりして中華街の風情を味わいたくなったのだ。
 中華街といえば、小学3~4年生の頃、熱に浮かされたかのように中華の物に傾倒した日々を思い出す。NHK人形劇『三國志』にハマり(あの甲冑の格好良さったらない)ジャッキー・チェンの“拳”物やマイケル・ホイのMr.BOOシリーズ等、香港映画にも夢中になった。大阪城築城四百年祭に展示された兵馬俑を見に行ったり、(読めもしない)故事を読んだり、水墨画の(似ても似つかない)真似事をしたり、新聞広告の旅行案内の切り抜きを集めては親に〈万里の長城〉に連れていってくれと迫ったり…と、チャイナかぶれ極まりない小学生だった。
 さすがに中国旅行は叶わなかったが、両親は私を神戸元町へと連れていってくれた。南京町で我慢しなさいというわけだ。完全に代替物ではあるがしかしどうして小学生の私にとってカルチャーショックを受けるに充分な街であった。食材屋には見た事もない魚や調味料が並び、広東語が飛び交い、肉屋では焼豚が吊し売りにされている。雑貨屋には中華文様の小皿が並び、クロガネのごっつい中華鍋も売られていた。試しに鍋を振ってみるが小学生には重過ぎた。だがその所作振舞が映画に出て来る料理のシーンと同じで嬉しかった。
 とにもかくにも南京町初ビジットは興奮した。街中にJ・チェンやMr.Booがうようよいるような気分になったのだ。いや場合によっては酔拳の使い手だっているかも…等とあほな事を考えて感極まっていたのを憶えている。それは太秦映画村でゴレンジャー・ショーを見た時よりショッキングで胸踊る体験だった。
 
 勿論、今やいいオッサンの私がそういうファンタジックな想像を描きはしない。長じるに連れ中国の現実も知り、少なからず幻滅もしたおかげで等身大で物が見られるようになった。だが、やはり春節祭のあの賑やかな雰囲気に独特の風情を感じずにはおれない。大陸文化の華やかな部分をクローズアップした街で、爆竹の爆ぜる音や、鉦や銅鑼の音に合わせて舞う獅子や龍の美しさを堪能しながら、ちまきを食べたい立春なのであーる。
立ち食いもまた楽し

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